「もしかしてうちの子ってあがり症?」
「親としてどのようにアドバイスすればよいのだろうか?」
あがり症は、若年期に発症するケースが大半だといわれています。
また中学生の頃に経験したトラウマをきっかけに、成人してからあがり症を引き起こすこともあるようです。
この項目では、中学生くらいからあがり症が出やすい理由、学校・日常生活においてあがり症が出やすい場面、一人で実践できる克服方法をご紹介します。
お子様のあがり症へのサポート方法についてお悩みの方は、ぜひ参考になさってください。
はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。
- 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
- 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
- 全国で年間2000回セミナーを開催
- 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
- 現在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版
Contents
1.中学生の頃からあがり症が出やすい理由とは?
思春期が始まる小学校高学年〜中学生頃には、他者との違いを深く意識するようになります。
思春期が始まる12歳頃からアイデンティティ(自分らしさを認める、または他者から認められたいと思うこと)の形成が始まるためです。
「自分は周りからどう思われているんだろう」
「みんなの前で失敗したくない!」
と強く意識するようになります。
さらに、子どもの頃の経験は記憶に残りやすく、予期不安(パニックになった経験を繰り返すことで、またパニックを起こすのではないかという恐怖感)を引き起こすことにつながります。
子どもの間は言語を形成する過程にあり、起こったできごとやイメージが、脳の中に詳細に残りやすくなるためです。
このような中、「他者評価への意識」が高まる思春期が訪れることで、ネガティブな記憶が鮮明に残り、あがり症に陥りやすくなります。
そのほか、あがり症に陥る原因については「あがり症の原因とは?克服するためのトレーニング方法を解説」をご覧ください。
2.学校・日常生活であがり症が出やすい場面
学校や日常生活においてあがり症が出やすい場面には、以下のようなものがあります。
・人が集まる教室に入ろうとする → 動悸が激しくなる
・自己紹介する → 思考が停止し頭の中が真っ白になる
・クラスで発表する → 声が震える
・本の音読 → 赤面する
・3人以上で会話する → 周りに合わせられているか不安に感じる
・一人でお弁当を食べる →一人で食べているところを周りから笑われていないか、周りからの目線を極度に意識する
不安を感じる場面は人により異なりますが、いずれも「注目されている」と感じることで緊張状態に陥ります。
すると脳内の交感神経が優位になることで、体がこわばり、脈があがります。
これにより、動悸をはじめとしたあがり症の状態が出やすくなるのです。
その他、あがり症を引き起こす状態例については「あがり症による主な症状とは?特に起こりやすい6つの症状」をご覧ください。
3.一人でできる!あがり症の克服方法
この項目ではお子様一人でもできる、あがり症の克服方法についてご紹介します。
お子様があがり症で悩んでいる保護者様は、ぜひ参考にしてください。
3-1.「ワレンダ要因」を利用する
あがり症を克服するため、成功することに意識を向ける「ワレンダ要因」を利用しましょう。
ワレンダ要因とは、心理学における考え方の一つで、
「成功することに意識を向ければ成功する」
「失敗することに意識を向ければ失敗する」
といった法則のことです。
自分の失敗に意識を向けることで、本当に失敗する確率をあげてしまっているといわれます。
この法則を利用すれば、前向きな発想に切り替えることで、不安による失敗を軽減できると考えられます。
例えば、クラスの発表では「失敗したらどうしよう」ではなく、「とにかく発表をやり切る!」と考えてみましょう。
発表中は自分の緊張感に意識が向きやすいものです。
そのため発表中も、やり切った瞬間を意識しましょう。
またサッカーなどの大会直前には、「うまくパスを出せずにみんなの足を引っ張ったらどうしよう」など不安な気持ちを抱くこともあるでしょう。
このようなときも、「パスを1回は必ず成功させる!」と考えることで、気持ちが前向きになり、不安によるストレスが和らぎます。
不安が減った分、その場をやり遂げよう!と強くなれるのです。
その他、あがり症を克服する考え方については「あがり症を克服する3つの考え方!状態を引き起こす原因とは?」をご覧ください。
3-2.成功体験を得るまでの「具体的な行動」をイメージする
成功体験を得るまでの「具体的な行動」をイメージすることも大切です。
具体的には、毎回授業の最後に、「質問はないですか?」と聞く先生がいたとします。
この場合、あらかじめ質問したい内容をメモに箇条書きでまとめておきます。
質問のときには、緊張しないように、
「話すときは息継ぎしやすいよう1文を短くする」
「ゆっくり話して深く呼吸する」
など、緊張せずに質問できる行動を事前に準備しておくのです。
このような具体的行動をイメージし、実践することを繰り返します。
その後、「ドキドキせずに返答できた!」といった成功体験を得た場合、新たに喜びの記憶として残ります。
これにより脳が安心するため、あがり症の状態を引き起こしづらくなるのです。
また、クラスに仲よくなりたい子がいたとします。
この場合、前日の夜に話しかけやすいタイミングを洗い出し、積極的に会話するための話題を用意します。
そして話すときは、同様に下記のことを意識するとよいでしょう。
「まずは笑顔で挨拶する」
「ひと呼吸おいてから話す」
「学校の帰りに学園祭の準備の話をする」
このように対策を考えておくと、緊張せずに話せる確率が高まります。
その後、「思ってたより楽しく話せた!」と思えたなら、その経験が成功体験となります。
このように具体的な行動をイメージすることで、成功体験を得やすくなるのです。
成功体験の作り方についての詳細は「あがり症の克服につながる【メンタルトレーニング】とは?」をご覧ください。
3-3.小さな成功体験を目に留めやすい場所に書き残す
練習や勉強を頑張ったにもかかわらず、本番で思ったよりも成果が出なかった、という方もいらっしゃるでしょう。
例えば、
「部活の試合の本番直前になると緊張してしまう」
「定期テスト当日にこれまで勉強したことを思い出せず、頭の中が真っ白になってしまう」
といった状態に陥ることでよい成績が出せないこともあるかもしれません。
このような事態に備え、これまでの成功体験をまとめたノートを作り、見返せるようにしておきましょう。
ノートに書き残すことで、過去と同様の問題に直面したときに、どのような方法で乗り越えたかが見返せるためです。
具体的には成功体験専用のノートを用意し、以下のような、自身で達成できた成功体験を書き出します。
【国語の定期テストで80点を取った成功体験】
- 1日10分の漢字練習を続けた
- テストの出題文「銀河鉄道の夜」を寝る前に読み返した
【音楽の実技テストで最後まで歌い切った成功体験】
- まわりを気にせず指揮者だけに意識を向けて話した
- 歌うときの姿勢を正すよう意識した
これら以外に、どのようなささいなことでもかまいません。
1日に1個、何か成功できたこと、なぜ成功できたかを書き留めておきます。
書けば書くほど、見返したときに問題の解決につながるヒントが増えるため、抱いた不安を払拭させやすくなるでしょう。
4.まとめ
中学生があがり症に陥りやすい理由として、脳の発達による「他者評価への意識の高まり」が挙げられます。
あがり症を克服するための具体的行動をイメージし、実践して成功体験を増やすことが大切です。
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