「あがり症を治したいと思い、インターネットで調べた克服方法を試してみたものの、まったく効果がない……」
このような状況が続くと、「もう治らないのかもしれない……」「やはり生まれ持ったものなのでどうしょうもない……」と諦めてしまう方がいるかもしれません。
あがり症を治したいと行動しているにもかかわらず克服しない場合は、自分に合わない方法や、誤った方法を選択している可能性があります。
この記事では、そもそもあがり症とはなのかについて解説した上で、悩んでいる方がやりがちな失敗例を4つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。
- 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
- 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
- 全国で年間2000回セミナーを開催
- 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
- 現在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版
Contents
1. あがり症は治らないの?
あがり症は治らないと思い込んでいる方もいますが、正しい方法で継続的に取り組めば、改善していく可能性は非常に大きいです。
まずここでは、あがり症とはどのようなものなのかについて解説します。
1-1. あがり症とは?
あがり症とは、人前で話すときや、大勢の人たちの目にふれる場面で、過剰な不安を抱え、顔面のほてり、発汗、動悸、嘔気など、身体症状が誘発されるような状態をいいます。つまり「人よりも緊張しやすい人」のことを指します。
多くの人の前でプレゼンテーションをしたり、初対面の人に自己紹介をしたりする際、緊張してしまうことは誰でも起こりうることですし、その場面を想像して不安になるのも自然なことです。
そもそも人間は不安や恐怖を感じると、自らの命を守るようプログラミングされています。
そのため不安や恐怖のシグナルに対し、筋肉を硬直させ、心拍数を上げ、戦闘もしくは逃走態勢に入ります。
あがり症の方は、この反応が異常に強く、緊張によって手が震えたり、声が震えたり、他人の視線が気になって震えの度合いが強くなったりします。
1-2. 「緊張」と「緊張感」は違う
でも、「緊張」は本当に悪いものでしょか?
当スクールでは「緊張」と「緊張感」を明確に分けています。
「緊張」と「緊張感」の違いは以下の通りです。
緊張 | 緊張感 | |
---|---|---|
心の状態 | ドキドキしている | ドキドキしている |
意識 | 散漫になる | 集中している |
パフォーマンス | ✕ | ◯ |
緊張も緊張感も、交感神経が優位になってドキドキするため、心の状態は同じです。
しかし、そのときの意識の状態は大きく異なります。
緊張しているときは、「失敗してはいけない」「よく見られたい」「緊張がばれると恥ずかしい」など、意識があちらこちらに向いています。意識が散漫な状態です。
反対に、緊張感とは意識が集中している状態です。
よくアスリートの方が試合前に極限まで集中しているきがありますよね。
100メートル走であれば、スターティングブロックについて100メートル先のゴールを見ているとき。身体は興奮していますがゴールに向かって意識は集中しています。
格闘技の試合もそうです。リングに上がり、「ラウンドワン、ファイ!」と言われる瞬間。
戦闘モードで交感神経は優位になっていますが、目の前の相手に対してものすごい集中力です。
プレゼンするときも、「この話を全力で目の前の方たちに伝えるんだ!」と、その1点に意識を向けているとき、緊張はしているかもしれませんが、緊張すら忘れるほど一生懸命話していると思います。
意識が散漫な状態と集中している状態。
どちらがパフォーマンスが高いかといえばもちろん集中しているときです。
緊張自体が悪ということではなく、たとえ緊張していたとしても、意識が散漫な状態だとパフォーマンスが下り、集中しているときはパフォーマンスが上がるということです。
2.「あがり症が治らない」と悩んでいる方がやりがちな失敗例
では、ここからはあがり症克服に向けて改善が見られない方に、陥りがちな失敗例を4つご紹介します。
2-1. 自分の性格を変えようとする
あがり症を治すため、無理やり性格を変えようとするアプローチです。
もちろん性格を変えることは悪いことではありませんが、自分の悪いところばかりにフォーカスして、自分のよい部分に目がいかなくなります。
例えば、あがり症を治すためにいろいろと努力をしているのであれば、実はあなたは努力家なのかもしれません。
緊張しやすい性格を情けなく思ってる人もいるかもしれませんが、それだけ感受性が強いのかもしれません。
前項の緊張と緊張感の話ですが、緊張自体が悪ということではありません。
それを無理やり直そうとするよりも、緊張してもいいから意識を集中するトレーニングを積んだほうがパフォーマンスは上がります。
自分の悪い性格を治すよりも、よいところを伸ばす発想のほうが改善に向けたアクションが続けやすいです。
やはり続けることが大事ですね。
2-2. 自己暗示にかける
スピーチやプレゼンテーションの前に、「私は緊張せずに話せる」「自信を持って伝えることができる」と自己暗示をかけて思い込むことです。
一瞬は前向きな気持ちにはなるかもしれませんが、根本的な解決にはなっていないため、恐らくすぐにドキドキしはじめます。
無理やり自己暗示をかけてるより、
・本番を想定して何度も練習した
・イレギュラーが起こったときの対応方法もバッチリ決めた
こうして自然に自信が持てるくらい準備するほうが何倍も大事です。
2-3. 場数を踏んで慣れようとする
「あがり症を克服するには結局場数をこなすしかない」「慣れれば緊張しない」と言われることも多いのではないでしょうか。
たしかに場数は大事です。
しかし、ただ単純に場数だけ増やして、むやみに失敗体験を増やすと、思い通りに話せなかった悪いところにばかり目がいきがちです。
・今日も噛んでしまった……
・言葉に詰まったときのみんなの目線が冷たかった……
・話し終わった後先輩に「顔が赤くなってたよ」と言われて恥ずかしかった……
・もう二度と人前で話したくないと思ってしまった……
など、場数を踏むたびに苦手意識が増してしまう場合があります。
ただ場数を踏むだけでなく、「前回と比べてどこがよかった?」「うまくいかなかったのはどこ?」と、ちゃんと内省することが重要です。
それがハッキリすれば次回に向けて具体的な対策が打てるからです。
素振りの練習で、何も考えずにバットを振り続けたら、ただ腕が太くなるだけです。
でも、一回一回しっかりイメージして大事に振れば、素振りの回数は少なくても試合で打てる確率は高まります。
毎回「検証→改善」を繰り返すことで、あがり症を克服するスピードが圧倒的に早くなるはずです。
2-4. あがり症を絶対に克服しないといけないと思っている
あがり症を治したい方の中には「絶対に克服しなければならない」と思っている方も多いと思います。
もちろんその必要がある方は克服しなければいけないと思いますが、克服しなくてもいい人もいます。
例えば、人前では話す機会がほとんどない人。
年に1回くらいは人前で話す機会があって、そこでは緊張するかもしれませんが、年に1回くらいであれば緊張してもいいかもしれません。
それに悩み、色々時間を使い続けるなら、もっと自分の特長を活かすようなことに時間をつかってもいいと思います。
黙々と何かをつくるのが得意な技術職の人であれば、その技を磨く方に時間を使った方が強味が活かせると思います。
初対面の人との会話で緊張して上手く話せない人は、上手く話す変わりに、とことん相手の話を聞く。むしろ聞く方が好きな人もいます。
全員が必ずあがり症を克服しなくてはいけないということではありません。
当スクールには、得意な分野を強化することで、それが自信につながり、結果あがり症を克服できた方もいらっしゃいます。
あがり症の改善に時間を使うのではなく、自分の力を活かせることにチャレンジするのも一つの手段です。
3. まとめ
あがり症は治らないものと思われている方も多いと思いますが、意識の向け方次第で克服できるものです。
ただし、間違った方向で努力すると治るどころか悪化させてしまう可能性もあるため、正しい努力を選択する必要があります。
もし、あがり症の克服方法をお探しであれば、弊社「モチベーション&コミュニケーションスクール」の「あがり症を克服するセミナー」の受講をご検討ください。
このセミナーでは、緊張をほぐす方法からあがらず話す方法までを実践形式で学べます。
実践型のセミナーで、その日からすぐに使えるスキルをお伝えしますので、自分が変わったことを即実感できるはずです。
「あがり症や緊張を克服し、人前でうまく話せるようになりたい」という方は、ぜひ下記の「あがり症を克服するセミナー」公式ホームページをご覧ください。