人前でプレゼンするときや、初対面の方と話すときに、緊張する方も多いでしょう。
「プレゼン前のドキドキを抑えたい…」
「初対面の人とも落ち着いて話したい…」
「緊張しにくくなる方法を知りたい…」
不安や焦りからくる過度な緊張をどうにかしたい…と考えている方は少なくありません。
あがり症による緊張から解放されるが最大のポイントは「呼吸」
そう言っても過言ではないくらい呼吸法が大事です。
本記事では、「シーン別の緊張を和らげる呼吸法」と「呼吸を安定させる効果的なストレッチ」をご紹介します。
あがり症克服のプロが、緊張に効果的な呼吸法を解説しますので、ぜひ試してみてください。
はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。
- 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
- 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
- 全国で年間2000回セミナーを開催
- 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
- 現在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版
Contents
1. あがり症克服に呼吸法が役立つ理由
「呼吸法」は、緊張やあがり症を克服するためにおすすめの方法です。
正しい呼吸法を取り入れることで、心と体のバランスが整い、緊張が緩和され、プレゼンなどの大事な場面で落ち着いて話せるようになります。
特に、あがり症の方は息を吐くことが重要です。
息をしっかり吐くことで、体がリラックスした状態になるためです。
緊張しやすい方は、体が硬直して呼吸が浅くなる傾向にあり、無意識に息を吸ってしまいがちです。
これから紹介する呼吸法を意識して、息を吐くことに集中することで、心身ともに落ち着きを取り戻していきましょう。
2.【シーン別】あがり症による緊張を和らげる呼吸法
呼吸法は、場所を選ばずに緊張を和らげられる方法です。
場面に応じて複数の呼吸法を使い分けることで、どのようなシーンでも落ち着いて対応できるようになります。
本章では「緊張をほぐすためにおすすめの呼吸法」をシーン別に3つご紹介します。
日常的に運動を取り入れている方は「あがり症の克服につながるおすすめの運動とは?」の記事も、ぜひ参考にしてください。
2-1. 8・4呼吸|日常的に取り入れられる呼吸法
「8・4呼吸」は、日常的に取り入れられる呼吸法です。
血行をよくする効果が期待でき、緊張して硬くなった体をほぐすことができます。
8・4呼吸のやり方は、「8秒かけて口から息を吐き、4秒かけて鼻から息を吸う」これを1分ほど繰り返すだけです。
実施する際は、特に息を吐く時間を意識しましょう。
緊張すると、過呼吸になりがちで、呼吸が乱れます。それを防ぐために、吸う時間より吐く時間を倍にします。
体が少し温まる感覚を感じたら、血の巡りがよくなってきた証拠です。
1日2回、寝る前などに習慣化すると、リラックスできて、不眠にも効果を感じられるでしょう。
さらに、ドッグブレスを一緒に行うと、より効果が期待できます。
「ドッグブレス」は、犬が息をするように速いテンポで横隔膜を動かす呼吸法です。
横隔膜と内臓の動きが連動することで、体の内部機能が働き、血行促進につながります。
ドッグプレスのポイントは、体の横にある腹斜筋に手を添えて、「ハッ」「ハッ」「ハッ」と短く息を吐きます。
腹斜筋に手を置くと、息をちゃんと吐けているかがわかるため、正しい方法で呼吸ができているか確認できます。
また、息を吐くときのスピードを意識することも重要です。
たとえば、歩きながらドッグブレスをする際は、歩行スピードに合わせて、「ハッ」「ハッ」「ハッ」と呼吸をしてみましょう。
早歩きをしながら実施すると、本来のドッグブレスに近い呼吸になるためおすすめです。
ドッグブレスも1分を目安に行うと、かなり全身の血の巡りがよくなり、体が温まりやすくなります。
呼吸法の具体的なやり方を詳しく知りたい方は、ぜひ動画をご覧ください。
緊張しやすい人は血行を良くすべし!
2-2. ボックス・ブリージング|即興で気持ちを落ち着かせたいときにできる呼吸法
「ボックス・ブリージング」は、海上自衛隊や米国軍・インド国軍でも導入されている呼吸法です。
不安やストレスの軽減に対して即効性があるといわれており、プレゼン直前など、非常に緊張している場面で活用できます。
やり方は以下のとおりです。
- 4秒間ゆっくり息を吸う
- 4秒間息を止める
- 4秒かけて息を吐く
- 4秒間息を止める
人によって効果を感じ始める時間は異なるため、4ステップを気持ちが落ち着くまで繰り返しましょう。
ポイントは、自分の心地よい秒数で実施することです。
ボックス・ブリージングは必ずしも4秒で行う必要はなく、自分が落ち着く秒数に合わせても構いません。
ただし、極端に秒数が違う場合は効果を発揮できない可能性もあるため、3~6秒程度で調整するとよいでしょう。
2-3. 腹式呼吸|話しながら意識できる呼吸法
腹式呼吸は、お腹周りに意識を向けて、横隔膜を下げる呼吸法です。
横隔膜が下がると肺が膨らむため、深く呼吸がしやすくなります。
腹式呼吸は3つのタイプに分かれており、どこに力を入れると空気を取り込みやすいかは人によって異なります。
- 下丹田タイプ:おへその5~8センチ下を意識して呼吸する
- 腹斜筋タイプ:お腹の横に意識を向けて呼吸する
- みぞおちタイプ:みぞおちを前に出して息を吐く
自分に合った腹式呼吸を見つけることがポイントです。
それぞれのタイプで1分間ゆっくり呼吸を続け、もっとも体が温まる方法を見つけてください。
また、腹式呼吸を行う際には、しっかり息を吐ききることでよりリラックス効果が期待できるでしょう。
腹式呼吸のやり方について、さらに詳しく知りたい方は、以下の動画をご覧ください。
腹式呼吸ってどうやるの?…そんなときに試してほしい「3つ」のやり方
3. あがり症の方が呼吸法と一緒に知っておきたい3つのストレッチ
一度、20秒間、ずっと息を吐き続けることができるたか試してみてください。
もし20秒間息が続かなければ、その方は普段から呼吸が浅いかもしれません。
その場合には、以下のストレッチで体の緊張をほぐしてみましょう。
【ストレッチを行う部位】
●肩甲骨:肩甲骨を寄せると胸が開くため、呼吸がしやすくなる
- 手を後ろで組んで後方へ引っ張る
- 肩の上げ下げを10回実施する
●横隔膜:横隔膜が下がると肺が膨らみやすくなり、深い呼吸ができる
- 肋骨を手で軽く触り、前に屈む
- ゆっくりと5回呼吸する
●大胸筋:胸を開いて、呼吸をしやすくする。猫背・巻き肩の方に特におすすめ
- 片手を柱や壁に当てて大胸筋を伸ばす
- 大胸筋を伸ばしながら、胸骨を10秒間指でなぞる
- 反対側も同じように実施する
ストレッチで体がほぐれると、空気を取り込みやすくなるため、ゆっくりしたテンポで呼吸ができます。
また、普段からリラックスした状態で過ごせるため、緊張する場面でも落ち着いた呼吸を維持しやすくなります。
ぜひ、試しやすいものから取り入れてみましょう。
より詳しいストレッチの方法を知りたい方は、以下の動画をご覧ください。
不安や緊張で呼吸が浅くなる方に!呼吸を安定させる「3つの対策」
4. まとめ
あがり症の方や緊張しやすい方は、呼吸が浅い傾向にあります。
そのため、意識的に深い呼吸を取り入れ、呼吸のリズムを安定させることが重要です。
あがり症克服におすすめの呼吸法は、以下の3つです。
- 8・4呼吸:日常的に取り入れ、血行をよくする呼吸法
- ボックス・ブリージング:不安や緊張に対して即効性のある呼吸法
- 腹式呼吸:話しながらでも実践できる呼吸法
急に人前で話さなくてはいけないときや、突然発言を求められたときでも、落ち着いて対応できるように、シーンに応じて呼吸法を使い分けましょう。
また、あがり症で呼吸が浅くなりやすい方は、呼吸法と一緒にストレッチを実施することで、呼吸が更に深くなり、気持ちも安定しやすくなります。
呼吸を安定させると同時にストレッチで体をほぐし、血の巡りをよくしていきましょう。
あがり症を克服したい方や、人前で自信を持って話したいという方には、「あがり症を克服するセミナー」が効果的です。