「人前でリラックスして話せるようになりたいけれど、どうしても緊張してしまう……」
「人と会話するときに、赤面していないか気になってしまう……」
あがり症の症状が出ているとき、脳内ではどのようなことが起こっているのでしょうか?
脳内の状態を知ることで、あがり症の改善方法を見つけられるかもしれません。
また原因がわかれば気持ちも楽になり、症状が現れても冷静に対処できるようになるでしょう。
この記事では、あがり症の症状が起こっているときの脳内の状態および改善方法について解説します。
はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。
- 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
- 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
- 全国で年間2000回セミナーを開催
- 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
- 現在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版
Contents
1. 脳内で何が起きるとあがり症の症状が現れる?
あがり症の症状は、脳内物質の分泌量が大きく変化するため、あがり症と脳の関係は非常に深いです。
この章では、あがり症の主な症状と、関係する3つの脳内物質、症状が現れるまでの脳内のメカニズムをご紹介します。
1-1. あがり症の主な症状
あがり症の症状は、人前で話したり意見を述べたりするときに現れることが多く、動悸が速くなる・極度な緊張で心身の状態が乱れる・周囲からの視線に不安や恐怖を感じる、などさまざまです。
主に、以下のような症状があります。
・手足の震え
・声の震え
・体のほてり
・発汗
・鼓動の高鳴り
・筋肉のこわばり
・赤面
1-2. あがり症に関係する3つの脳内物質
脳内には「セロトニン」「ドーパミン」「ノルアドレナリン」というあがり症に関係する3つの脳内物質が存在します。
「セロトニン」は、ドーパミンとノルアドレナリンをコントロールして気持ちを安定させる役割を持ち、通称「幸せホルモン」とも呼ばれています。
睡眠不足やダイエットなどで脳内のセロトニンが不足すると、自律神経失調症や不眠、不安などの症状を引き起こすことがあります。
一方でセロトニンが過剰に分泌されると、不安や発汗・発熱・筋肉のけいれんなど「セロトニン症候群」と呼ばれる身体症状を引き起こすこともあります。
適切なセロトニンを分泌させるには、規則正しい生活を送ることが大切です。
「ドーパミン」は、うれしい・楽しいなど、主に前向きな感情をもたらす役割があります。
ドーパミンが過剰に分泌されると、覚醒しすぎる状態になり、幻覚や妄想・過食などを引き起こし、自律神経のバランスが崩れることがあります。
ドーパミンの過剰な分泌を抑えるには、分泌をコントロールしてくれるセロトニンの適度な分泌が欠かせません。
「ノルアドレナリン」は、血圧を上昇させることで、恐怖や怒りによる緊張やストレスを落ち着かせる役割があります。
ノルアドレナリンが過剰に分泌されると、血圧が上昇し、発汗作用・ヒステリーやパニックを引き起こすことがあります。
ノルアドレナリンの過剰な分泌を抑えるには、ビタミンB6の積極的な摂取やセロトニンを増やす行動が必要です。
1-3. あがり症の症状を引き起こす脳内物質の変化
あがり症の症状が現れる主な原因は、脳内物質であるセロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンの分泌量のバランスが崩れるためといわれています。
緊張状態になると、脳内では以下の経過をたどります。
1. 「大脳辺縁系」の一部であり記憶や学習能力に関わる器官である「海馬」。海馬により過去の体験が記憶としてよみがえる。
2. 海馬と隣接している左右対称の器官である「扁桃体」。扁桃体へ感情に関わる情報が伝わる。
3. 情報を受け取った扁桃体が活性化する。
4. 扁桃体が活性化することで脳のさまざまな部位が刺激される。
― たとえば「青斑核」という部位が刺激されると脳内物質のノルアドレナリンが分泌される。
― 視床下部などにある「セロトニン神経系」が刺激されるとセロトニンが分泌される。
― 「黒質緻密部(黒質)」が刺激されるとドーパミンが分泌されるなど。
5. あがり症の症状として身体に現れる。
2. 【脳に働きかける】あがり症の改善方法
あがり症の症状に関係が深い3つの脳内物質の分泌バランスが崩れることで、症状が現れることがわかりました。
そのため3つの脳内物質が正常に分泌されることで、あがり症の症状を和らげることにつながるでしょう。
特にセロトニンは、ドーパミンとノルアドレナリンを調整してくれる大切なコーディネーター的存在です。
セロトニンの分泌が正常に行われるよう調整することが、あがり症の改善において最も大切だといえます。
そこでぜひ積極的に実践してほしいことが、太陽の光を浴びることです。
なぜなら、一日15~30分ほど太陽の光を浴びることはセロトニンの分泌を促すことに役立つためです。
また浴びるときは、紫外線が強くなる前の朝陽を浴びるようにしましょう。
早起きの習慣もつき、規則正しい生活の確保と良質な睡眠につながります。
またウォーキングや軽い有酸素運動は、セロトニンの分泌を助ける効果があります。
そのほかにも、無理なく楽しみながら取り入れられる体操やダンスなど、一定のリズムを刻む運動もおすすめです。
食事の際によく噛むことや意識的に深い呼吸を繰り返すことも、一定のリズム運動になるため効果的といわれています。
ドーパミンを適度に分泌させるには、ストレスを発散させることが大切です。
一人でカラオケ店に行き好きな歌を大声で熱唱する、アロマを取り入れたプロのリラクゼーションの施術を受けてみる、汗をかくほど思いっきり体を動かすなど、自分にあったストレス発散法を見つけましょう。
そしてノルアドレナリンを適度に分泌させるには、ビタミンB6の摂取がおすすめです。
ビタミンB6は、主に赤身の魚・赤身の肉・ナッツ・納豆・豆腐・バナナなどの食品に含まれています。
3. まとめ
あがり症を改善するためには、セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンの分泌量のバランスを整えることが大切です。
特にセロトニンの分泌が減少しないよう、規則正しい生活を意識し運動や栄養を工夫してみるなど、自分でできることから始めてみましょう。
あがり症の改善方法として、実際にプロからあがり症の症状を和らげるトレーニングを受けてみるのもおすすめです。
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